頻繁に起こる子供の癇癪に対応しきれず、頭を抱えてしまうことも少なくありませんよね。
「なんとかしないと!」とまともに対応した結果、つい感情的に怒ってしまったという声もよく耳にします。
この記事では子供の癇癪への対応に必要な子供への「共感」と、あなたの「開き直り」で少しでもお互いのストレスを減らす方法をお伝えしていきます。
その他癇癪を起こす前にできる対策や、1〜3歳頃の子供にやさしいコミュニケーション支援ツールなども併せて紹介します。
癇癪には、真っ向から立ち向かう必要はありません。「もう疲れた!勝手にして!」と怒ってしまう前にぜひ読んでみてください。
子供の癇癪への対応は「共感」と「開き直り」で乗り越える
子供の癇癪への対応には、まず子供の気持ちへ「共感」することと、状況を無理に変えようと頑張らないあなたの「開き直り」が癇癪を乗り切るポイントになります。
残念ながら癇癪中の子供には周りの声掛けが届きづらく、何をしても泣き止まないことがほとんどです。
これらを踏まえたうえで、対応の仕方と癇癪が起きた場合の過ごし方をお伝えしていきますね。
子供の気持ちに共感する言葉を掛ける
先程お伝えした2点を改めて以下にまとめます。
共感・・・子供の気持ちに共感する言葉を掛ける
開き直り・・・無理に状況をよくしようと頑張ることをやめる
共感は大人のコミュニケーションにおいても重要なポイントですよね。会話の中に共感があると盛り上がりますし、親近感も湧いてきます。
逆に話すたびに口出しされると、だんだんその人の話を聞くことが苦痛になってしまいます。これは子供も同じです。
ですが、いくら口出しばかりではいけないとはいえ気をつけるべきこと、やってはダメなことはその都度伝えなければいけませんよね。
そのときはまず共感を示した上で指摘したいことを伝えると、子供は言葉を聞き入れやすくなります。
わかりやすくするために例を挙げてみますね。
物を投げるのは誰かに当たると危ないからやめようね
→投げてみたかったんだね、でも誰かに当たると危ないからやめようね
「誰かに当たると危ないからやめようね」だけでも十分やわらかい表現ですが、共感を前置きすることでさらに親身な印象になりました。
共感してもらうことで子供は「わかってくれた」「受け止めてくれた」と安心感を抱くことができます。
この安心感は癇癪の予防にもつながりますので、出来る限りたくさん共感してあげたいですね。
無理に状況を良くしようと頑張らない!
そして癇癪に向き合うためにもう一つ知っておきたいのが「開き直り」です。
癇癪がヒートアップし、もう手の施しようがない!と思ったら一旦離れましょう。
「そんなことして大丈夫?」とあなたは不安に思うかもしれません。ですが、癇癪に向き合うためにはまずあなたの気持ちが穏やかであることが肝心です。
少しでも離れてお互いの気持ちを落ち着けることが出来れば心に余裕が生まれ、冷静な対応ができるというメリットがあります。
ときには正面から立ち向かおうとせずに、ドンと構えて待つぐらいの気持ちでやっていきましょう。
次に、子供の癇癪が起こっている間の詳しい過ごし方についてお話しします。
子供の癇癪に手がつけられないときは一旦離れて休憩する
先程、子供の癇癪が酷く手がつけられないときは一旦離れるとお伝えしました。
癇癪に手がつけられない状態なら、いっその事癇癪が落ち着くまでの間休憩を取ってみましょう。
癇癪が落ち着いたころには「ちょっと話し合ってみるか」と少しでも前向きになれると思います。
ここからは手がつけられない癇癪の間、安全に子供から離れる手順と自分の気持ちを切り替えるためのストレス解消法を紹介していきます。
癇癪の間安全に子供から離れる手順
離れる時の手順を以下にまとめます。
- 癇癪が始まったら子供のいる周囲の安全確保、危険なこととやってはいけないこと、共感の言葉を伝え部屋を出る
- 避難場所は、声は聞こえるけど子供の姿は見えない程度の場所がおすすめ(同じ階の部屋、トイレなど)
- そのまま落ち着くまで好きな音楽を聴いたり、おやつタイムにしたりなど好きなことをして過ごす
- 癇癪が落ち着いたらすぐに「自分で落ち着けたね」と自分で癇癪を抑えたことを褒める(落ち着いた後すぐ褒めると印象に残りやすい)
- 「何が嫌だった?」と子供の話を聞き、共感の言葉と伝えたかった事を伝える
逃げる時の安全確保では、部屋の窓に鍵をかける、火の元があれば元栓を閉める、落ちてきたりぶつかったりすると危険なものは隠すなどの対策を必ず行いましょう。
また、1人にさせると危ない場所にいたり子供が追いかけてきたりなど、どうしても離れられない場合もありますよね。
そんなときにおすすめなのが耳栓です。周囲の声や音を程よくシャットアウトできます。イヤホンで好きな音楽を聞くのも気分転換になり、いいですよね!
そして癇癪が落ち着いたタイミングで「落ち着けられたね!」と褒めてあげてください。そうすることで子供は「癇癪をやめたら褒めてもらえた」と解釈します。
これは癇癪の予防にもつながるのでぜひ取り入れてみてください。その後「どうして泣いていたの?」と優しく聞いてあげましょう。
このとき、あまりにも質問攻めにするとまた混乱するので、本当に聞きたいことだけをあなた自身が落ち着いた状態で聞くようにします。
そして「○○が出来なくて悲しかったね。でも今日は□□だから出来なかったんだよ」というような流れで伝えてあげてください。
やり場のないイライラを解消する方法10選
どれだけ気にしないようにしていたとしても、イライラしてコントロールがきかない状況になることもありますよね。
手軽に出来るリラックス法の中から、私が実際に効果を感じた方法を以下にまとめます。
- その場を離れる
- 深呼吸
- 面白かったことを考える
- 子供との思い出の写真を見る
- 冷水で顔を洗う
- 好きな食べ物、飲み物を摂る
- 酸味のあるものを食べる
- ガムを噛む
- 筋弛緩法
- ストレッチ
- ツボを押す
調べてみると結構たくさんのリラックス法がありました。中でもよく挙げられていたのは「深呼吸」「好きな食べ物や飲み物を摂る」です。
8番の筋弛緩法とは筋肉に刺激を与え心と身体の緊張をほぐす方法で、やり方は簡単です。手順を以下にまとめますね。
- 両肩に力を込める
- 力を込めた状態で両肩をギューっと上にあげる
- 両肩に力を入れたまま首をすぼませ15秒キープ
- 一気に力を抜き肩を下ろす
筋弛緩法をやった後は、肩が少し軽くなり余分な力が抜けたような感覚になりました!がっつりストレッチする時間がなくても、これなら取り入れられそうです。
そしてストレス解消が期待できる「合谷」というツボがあります。
- 手の甲を上向きで広げる
- 親指と人差し指の骨が交わるくぼんだ部分を見つける
- そこから少しだけ人差し指側の部分を痛気持ちいい強さで5秒押して離す
- 5秒押して離す動作を5回繰り返す
合谷は自律神経を整えるツボでもあります。手にあるツボを押すだけなので、かなりお手軽なストレス解消法と言えますね!
私は深呼吸しながらツボ押ししましたが、呼吸とツボ押しの両方に意識が向くので一旦イライラした感情を手放す事ができました。
ストレスを感じた時に、ぜひ試してみてくださいね。
子供の癇癪対策!日頃の「褒め」と「共感」で自立心を育む
子供のうちは注意したり叱ったりする事が多くなる分、良いところに目を向け積極的に褒めてあげたいですよね。
癇癪対策においても「褒め」と「共感」は欠かせない行動です。
そして子供に予定の見通しがつく声かけをすることや、怒ってしまいそうな時のルールを親子で話し合うことも大切です。
また、癇癪は生活リズムや食生活によって引き起こされる場合もあります。
癇癪対策の解説
普段の生活から取り入れられるおすすめの癇癪対策を4つ紹介していきます。
- 普段のコミュニケーションから積極的に気持ちを代弁したり褒めたりする
- 「〇〇が終わったらこれをしよう」など予定の見通しがつく声かけをする
- 怒ってしまいそうな時のルールを子供自身に決めさせる
- 生活リズムや食生活を見直す
褒める内容は「うんちをした」や「ご飯を食べた」など、どんな小さな事でもかまいません。
子供のできたことに対して「やったね!」と褒め、一緒に喜ぶ姿を見せてあげてください。
その経験の積み重ねが子供の自尊心と自立心を育み、親との信頼関係もより深まっていきます。
いつか子供が大人になって、叱られた記憶だけでなく褒められた記憶も残っていたらお互い嬉しいですよね。
そして、公園などのお出かけ先から家に帰りたがらないことってよくあると思います。
大人に予定があるように、子供にも予定があるため、予定の見通しがつく声かけは大事です。
お出かけ先に着いたタイミングで「〇〇になったら帰ろうね」と伝えてあげると、帰るまでの心づもりができるため癇癪を起こしづらくなります。
そして、子供自身が怒ってしまいそうな時のルールを親子で話し合い、どういった方法なら怒りを落ち着かせられるか自分で考えさせてみてください。
お気に入りのぬいぐるみを抱きしめたり、絵やパズルなどの集中できることに没頭したりするのもおすすめです。
悩んだ時には「〇〇してみたら落ち着くかもしれないよ」と提案してあげてくださいね。
そして生活リズムや食生活が原因で癇癪を起こす場合もあります。癇癪がひどいと感じる場合は一度見直してみてもいいかもしれません。
絵カードなど子供に伝わりやすいツールを活用する
子供とコミュニケーションを取る中で、子供が「今これを伝えたい!」と思ったことを知る事ができれば助かりますよね。
手段としては絵カードや写真を使って指指しで教えてもらう方法があります。
- 感情(嬉しい顔、泣いている顔、怒っている顔)
- 欲しいもの(ごはん、飲み物、おもちゃ、絵本)
- 行きたい所(トイレ、お風呂、布団、公園)
上記のものを絵や写真にしておけば必要な物を伝えたいときに役立ちます。また、絵カードはスマホアプリだと持ち運びも便利ですよね。
個人的に「えこみゅ」というアプリは、機能も操作もシンプルなため初心者の方でも扱いやすいと思います。
あらかじめ200枚の絵カードが用意されているためダウンロードしたその瞬間から使えますし、さらに自分でカードを作ることも可能です。
絵カードをタップすると音声が出るので、言葉の勉強にもなりますよ!色使いもカラフルで私の子供も気に入って遊んでいます。
また、テレビやゲーム、お出かけなどで子供に時間を守ってほしいときにはスマホのタイマー機能を使うのもいいですね。
遊んでいる途中、急に「おしまい!」と言われてしまうと、やりたい事が急に出来なくなった怒りから癇癪を引き起こすことがあります。
そこで、やり始めの段階で「ピピピってなったらおしまいね」と約束することを癖づけておけばおしまいの時間までの心づもりができるため癇癪の対策に繋がります。
手の抜きどころが難しい育児だからこそ、便利なものはとことん使っていきたいですね。
まとめ
- 癇癪を乗り越える対応に必要なのは子供の気持ちへの「共感」と、状況を無理に変えようと頑張らないあなたの「開き直り」
- 癇癪がヒートアップし、もう対応し切れないと思ったら落ち着くまでの間少し離れて休憩を取ってみる
- 逃げる時の安全確保(部屋の窓に鍵をかける、火の元があれば元栓を閉める、落ちてきたりぶつかったりすると危険なものは隠すなど)を必ず行う
- 子供からどうしても離れられない場合は耳栓をしたりイヤホンで好きな音楽を聞いて気分転換する
- 癇癪が落ち着いた早めのタイミングで対応し、自分で癇癪を落ち着かせた事を褒める
- ストレス解消法としてよく挙げられていたのは「深呼吸」「好きな食べ物や飲み物を摂る」
- 深呼吸しながら合谷のツボ押しもおすすめ!
- 癇癪対策には予定の見通しがつく声かけを心掛け、怒ってしまいそうな時のルールを子供自身に決めさせることも効果的
- 癇癪がひどい場合、生活リズムや食生活も見直してみる
- 絵カードやタイマーなど子供に伝わりやすいツールを活用する
この記事を読んでくださっているということは、あなたはきっと子供と向き合う努力を惜しまない方なのだと思います。
癇癪は子供の自己主張と同時に、成長の証とも言える行動です。今は大変ですが、どうか頑張りすぎないでください。
あなた自身が健やかであるために、ぜひ息抜きを忘れずに子育てしていきましょうね。
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